労働審判を起こされたら
以下の流れで労働審判が進められます
1. 労働審判とは
2. 労働審判の申立書が届いたら
3. 労働審判の注意点
4. 調停がまとまらない場合
1. 労働審判とは
労働審判とは、労働審判官(裁判官)1名と労働問題の専門家である労働審判員2名で組織された労働審判委員会が、原則3回以内の期日で審理をし、適宜調停による解決を図り、調停がまとまらなければ労働審判を行うという紛争解決制度です。
労働審判の特徴として、手続が簡略であるということと、迅速な解決が図れるということがあります。特に、解決まで平均で70日程度しかかからない点は大きなメリットといえます。
2. 労働審判の申立書が届いたら
労働審判は第1回期日の対応が極めて重要です。労働審判委員会は、第1回期日において、労働者側・会社側双方の主張や証拠を踏まえて争点の整理を行います。労働審判の方向性は第1回期日で定まると言っても過言ではありません。それどころか第1回期日で和解が成立して手続が終了することもあります。
このような傾向があるにもかかわらず、使用者側は第1回期日までの間に約1ヵ月程度の準備期間しか与えられていません。短時間で必要かつ十分な反論を準備することは容易ではありません。そのため、労働審判の申立書が届いたら直ちに弁護士に相談することをお勧めします。
3. 労働審判の注意点
労働審判委員会は、期日において、必要な範囲で当事者に対して口頭で主張の補充を求めてきます。そのため、期日までの間に会社側の言い分を説明できるよう十分に準備をしておくことが重要です。
4. 調停がまとまらない場合
労働審判手続内で調停が成立しない場合、労働審判委員会は審判を行います。
審判内容に不服がある場合は、2週間以内に裁判所に異議を申し立てることができます。意義が申し立てられれば当然に通常訴訟に移行します。