近隣住民からの過剰な要求への対処事例
建設業その他
相談内容
事業用の建物の新築に際し、工事の揺れによる自宅の壁等に亀裂が入ったとのクレームを受けた。従前の住民説明会で保証したもののほか、数十カ所の修繕等を求められており、対応に困っている。
争点
①壁等の亀裂の要因
②合意内容
解決内容
従前に保証していた箇所を除くと、数カ所の簡易な修繕を行うことで、今後修繕に関し、要求をしない旨を承諾させ、合意した
弁護士の所感
①につき、近隣住民の要求は、明らかに因果関係がなく、法律上の紛争となった場合は認められる可能性の低い事案であり、裁判上の視点からは応じる必要性がありませんでした。
一方で、近隣住民であり今後も関係が継続することから、現実問題としては何らかの合意を得た上で、穏当に解決する必要性の高い件でした。
そこで、②近隣住民の主張する修繕箇所全てにつき、法律上は要求に応じる必要はない旨を一箇所ずつ説明し、交渉決裂も含めた強気の交渉を行うことで、最低限の譲歩と引き換えに、今後は修繕につき、原則要求を行わないことを主な内容とし、合意に至りました。
安易な譲歩、約束が却って問題を大きくしかねない案件であり、早期に解決に至れたことは良かったと感じています。