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体調不良で欠勤等が続き休職していた従業員を、休職期間満了で退職させた事例

労務問題サービス業

相談内容

A社は、体調不良のため欠勤や早退等が続いた従業員Xを就業規則に基づき休職させたが、休職期間である2年満了の直前になり、従業員Xより復職を希望する申し出があり、Xの主治医からは復職が可能である旨が記載された診断書が提出された。A社とその産業医は、Xが復職後に業務に耐えられる状態にないと判断した。そのため、休職期間の満了をもってXを退職扱いとしたい。

                   

争点

Xを休職期間満了で退職させる扱いは認められるか。

                   

解決内容

                   

Xを休職期間満了によって退職扱いとした。

                   

弁護士の所感

                   

休職制度は、雇用関係を継続させつつ、労働者の労働の義務を免除する制度です。
そのため、労働者側のための制度と考えられますが、一方で使用者側にとっては、労働者側の労務の提供を拒否できる制度でもあります。
会社にとって、就業規則で休職制度をどのように扱うかは、大変重要な問題です。
例えば、休職期間中の賃金について、今回の事例においては、基本給の7割支給という運用でしたが、有給にするか無給にするかは、使用者が就業規則において自由に定めることができます。
休職中の従業員について、手厚く扱うという考えもありますが、休職期間が長期に及ぶ場合、会社にとってその間の経済的な支出は重要視すべき点です。それ以上に重要視すべきは、休職期間を有給扱いとした場合に、実際に就労している従業員との間に不公平感が生じ、就労している従業員のモチベーションが低下してしまう可能性がある点です。
労働者のモチベーションの維持は重要視すべき問題ですので、休職期間中は無給とするのが望ましいと考えられます。 
本件に限らず、休職期間中の賃金については、会社の状況等を考慮したうえで、十分に検討のうえ定める必要があると言えます。 

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