マンションを所有している相談者が、同物件を賃貸に出していたところ、共用スペースの利用態様が悪質な入居者に対し、入居者規約に違反することを理由として賃貸借契約を解除のうえ建物明渡請求訴訟を提起し、建物退去を前提とする和解が成立した事例
不動産業不動産賃貸契約
相談内容
相談者は、マンションを所有し賃貸に出していたところ、ゴミ捨て場やエレベーターその他不特定多数の入居者が共用するスペースにおける利用態様が粗悪な入居者に悩んでいた。
そこで、相談者は、同入居者に対し、賃貸借契約に付随する入居者規約に違反することを理由に、賃貸借契約を解除したうえで建物の明渡しを請求する訴訟を提起することとした。
争点
入居者による共用スペースの利用態様の在り方を理由とする建物明渡請求が認められるか。
解決内容
相談者が一定の立退料を支払うことを条件として、入居者が建物を明け渡す内容の訴訟上の和解が成立。
弁護士の所感
不動産の賃貸人が賃借人に対し、賃貸借契約を解除のうえ不動産の明渡しを求める際に最も重要となるのが、賃借人の側に、賃貸借契約を解除することができるに足る契約違反があるかという点です。
賃貸借契約における賃借人は、借地借家法により手厚い保護が与えられておりますが、それは賃貸人が契約を解除しようとする場合も同様です。
違反の態様の悪質性、違反行為の反復継続性、賃借人による改善可能性、賃貸人による立退料の有無及びその額等、種々の事情が総合的に考慮されます。
そのため、これらの立証をするための証拠も非常に重要となります。
賃貸借契約をめぐるトラブルがありましたら、証拠収集の段階から弁護士にご相談されることをお勧めします。