従業員との紛争について、外部の労働組合との対応・交渉に関する相談を受けた事例
労務問題製造業
相談内容
依頼者は、従業員との間で労使関係のトラブルを抱えていたところ、当該従業員が外部の合同労組に加入した。合同労組から依頼者に対して、団体交渉の申し入れがあったため、当事務所が代理人として対応に当たることになった。
争点
特になし
解決内容
労働組合が申し入れる「団体交渉」は、憲法上の権利であり、会社側は、誠実に交渉する義務がある。
そのため、会社側が団体交渉を拒否する場合はもとより、団体交渉に応じたが不誠実な対応に終始するような場合には、「団交拒否」・「不誠実団交」という不当労働行為に該当する。
この基本的なルールを依頼者に理解いただき、「団交拒否」・「不誠実団交」にならないように、合同労組と協議を進めることにより、最終的に、円満な解決をすることができた。
弁護士の所感
上記のように、合同労組の対応は、通常の交渉とは異なるルールがあるため、その点を踏まえたうえで、交渉等を行う必要があります。
他方で、会社には、合同労組の要求をすべて受け入れる・譲歩をする義務まではありません。
つまり、合同労組と会社との間で、十分に協議を行った結果としても、双方の主張が平行線をたどり解決を見ないようなケースでは、その時点で交渉を打ち切ったとしても、誠実交渉義務に違反したことにはなりません。
会社が独力で合同労組と交渉を行って円満な妥結に至ることは、感情的な面もあって、必ずしも容易ではなく、弁護士の役割が重要になる案件と感じました。