未払い残業代等請求の労働審判を申し立てられ、相当程度減額を認めさせ和解を成立させた事例

相談内容

現在、ある従業員から未払いの残業代をめぐって労働審判を申し立てられている。
それに加えて、以前行った減給処分が違法であるとして、減額相当額を返還するよう求められており、さらには同従業員がかつて事故を起こし、社用車を破損させたのであるが、その際に修理費を立て替えていたとして、当該費用相当額の返還も請求されている。
同従業員からのこのような支払請求に応じる必要はあるだろうか。

争点

(1)未払いの残業代の有無
(2)減給処分の適法性
(3)修理費はだれが負担すべきか

解決内容

(2)につき、減給相当額を相手方に返還することになった。
他方、(1)の残業代については請求額から半額程度に減額すること、また(3)の修理費については相手方が全額負担すべきものであってクライアントが支払う必要はないこと、という内容の和解が成立した。

弁護士の所感

本件ではとりわけ未払いの残業代に関して、立証が大きな争点となりました。
使用者は従業員を雇用するうえでその労働時間を管理すべき立場に置かれていますが、そのことを踏まえて、裁判所が時間管理に関して使用者側に厳しい姿勢をとっていることがわかり、本事案を通して、改めて「労務管理の重要性」を認識することができました。