未払賃金の供託
人材紹介・登録支援機関その他
相談内容
技能実習制度の一環で実習をしていた外国人Aが失踪し、賃金を支払うことができずにいたところ、労働基準監督署から当該未払い賃金に関して是正勧告を受けてしまった。どのように対応したらよいだろうか。
争点
失踪した技能実習生Aに対する未払い賃金をどうすべきか
解決内容
債権者が受領不能であることを理由に未払い賃金相当額を供託し、その旨を労働基準監督署に報告した。
弁護士の所感
賃金を現金で支払っている企業において、従業員が失踪して賃金を手渡せなくなった場合、通常あれば、現金を分離して保管しておくことで十分と思われます。もっとも、本件のように技能実習生が失踪した場合には、当該未払いが「労働関係法令違反の不正行為」と入管や機構に認定されてしまい、今後の新規技能実習生の受入れに支障が生じるおそれがあるため、別の対処をとることが望まれます。そこで本件では、法的に債務を消滅させたうえで労働基準監督署に是正勧告することが最善であると判断し、上記のような対応をしていただきました。
なお、後日談として、クライアントから、「ここまで丁寧に対処してくれるとは思わなかった、しっかり対応していることを確認できた。」と入管から褒めていただけたとの報告を受けることができました。クライアントが平素よりしっかりとした業務をされていたことが一番の要因ですが、とても良い解決をすることができたと思います。