会社の経費を私的に着服したとして、元従業員に対して会社側が損害賠償を請求した結果、その請求額のうち一部が認定された事案

相談内容

元従業員が会社の経費を私的に着服していたことが発覚した。これを受けてA社は、どのように対応すればよいか相談し、元従業員に対して、会社側が被った損害の賠償を求めるために訴訟を提起するに至った。

争点

私的目的のために元従業員が会社の経費を使い込んだことを理由として、損害賠償の請求をすることは可能か。

解決内容

A社に対して元従業員が、ある一定の賠償金を支払うという内容での和解が成立。

弁護士の所感

私的な目的のために従業員によって会社経費を使い込まれたり、実際よりも少ない売上高を申告されたことにより、その差額を横領されたりと、会社側が従業員を相手に損害賠償を請求したいというご相談を頂くことは少なからずあります。

このような事案に関しては、生じた損害がどれほどのものであったのかをはっきりさせることも大切ですが、当該問題を起こした従業員に対して、厳しく指導をする、もしくは始末書を書かせるといった懲戒処分を実施することが、より重要であると考えられます。