契約書のバックデート(実際の締結日よりも前の日を契約書の作成日として記載すること)の有効性が争われた裁判において、勝訴した事例
サービス業その他
相談内容
依頼者は、相手方の会社との間で、依頼者が顧客候補を紹介し、当該顧客候補と相手方の会社との間で案件が制約することを条件として、成約報酬が支払われることになる顧客紹介契約を締結した。
契約書の締結前の時点で、既に紹介業務が進行していたため、契約書の締結日は、実際の締結日よりも前の日付で記載されていた。
この点について、実際の締結日よりも前に行った紹介から発生した成約報酬の支払義務が争いになり、裁判に至った。
争点
バックデートが法的に有効であるか
解決内容
契約書のバックデートの有効性については、民法等の法律では明確に規定されていない。そのため、バックデートの有効性は、バックデートをするに至った当事者の認識・事実関係の経緯等により決定されることになる。
本件では、バックデートをした日付について、「なぜその日に設定する必要性・必然性があったのか」という点について、電子メール等の証拠を細かく分析し、合理的なストーリーになるようにして、裁判を進めた。
弁護士の所感
裁判で問題になる論点は、必ずしも法律に明確な回答が規定されているわけではなく、本件のバックデートもその一つでした。
このような論点が問題になる裁判では、ビジネス上の商取引の構造、商取引のルール等を理解したうえで、裁判所に対して説得的なストーリーを構築する必要があります。