新型コロナウイルス感染症の影響で経営が悪化してしまった企業より整理解雇の是非についての相談があり、その検討をした事例
サービス業その他
相談内容
新型コロナウイルス感染症の流行拡大により経営が悪化してしまった企業から、従業員の整理解雇を検討している旨のご相談を頂いた。
争点
争点は特になし。
解決内容
整理解雇というものは、容易に認められるものではなく、裁判例等によると、幾つもの要件を満たしてはじめて認められる。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で経営が苦しくなってしまった場合は、その悪化度合の如何によっては整理解雇が認定される場合もあるが、ウイルス感染症による経営の悪化を理由とした整理解雇の全てが、法的に何ら問題がないと認められるものでもないことが考えられたため、検討にあたっては厳重な注意を払って対応した。
弁護士の所感
整理解雇を実行するにあたっては、会社が本当に整理解雇をしなければならない状況下にあるという、その必要性に加えて、企業側として解雇回避のための努力を行ったかどうかの検討も必要不可欠です。したがいまして、経営が傾いたからといって、直ちに整理解雇が行えるというわけではありません。実際には、退職勧奨の実施や休業補償の支給等、経なければならないプロセスがあり、然るべき段階を経たうえで、最終的に行うのが整理解雇と言えます。
そのため、今回の事例では、整理解雇という手続きそのものについてしっかりとご説明を差し上げ、慎重に対応すべきケースであることをご理解いただけるよう努めました。