株主が複数名存在している会社について、増資を行うことの相談を受けた事例
製造業その他
相談内容
依頼者は、株式会社であるが、株主が複数名に分かれていた。取締役・従業員として経営に関与していない株主が含まれており、さらに、相続が発生している株主がいることが判明した。依頼者が増資を行うにあたり、どのような方法で株主に連絡を行い、株主総会の決議を行うべきかの相談を受けた。
争点
特になし
解決内容
第1に、株主が複数存在している株式会社では、各株主の状況(会社に協力的か否か・連絡を取ることが可能か等)を確認する必要がある。本件では、株主の一部に相続が発生していたため、相続関係を確認することから開始した。
第2に、現時点での株主構成が確認できた後に、実際に株主総会を開催するか・書面による株主総会決議によるかを決定する必要がある。現在の株主全員と連絡を取ることができ、かつ、友好的な対応をしてもらえるのであれば、あえて実際に株主総会を開催することなく、書面による株主総会決議によることが便宜であるためである。特に、株主の一部が遠隔地に居住しているようなケースでは、そのメリットが大きい。
以上の点を考慮して、株主総会の開催方法を検討し、依頼者にアドバイスを行った。
弁護士の所感
増資は、株式会社にとって重要な行為であるため、株主総会決議が必要になることが原則です。他方で、株主総会の開催方法として、実際に株主総会を開催することが原則的な方法であることは勿論ですが、実務上は、「どのような方法によることが最もスムーズか」という点からも検討を要することになります。
本件は、そのような検討を要した相談でした。