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「所定期間無料で求人広告が掲載で きるサービス」の利用に申し込んだ 会社が、無料掲載が可能な期間を過 ぎたが、同サービス提供業者に対し て何ら連絡をしなかった結果、無料 で掲載できる期間を過ぎていること を理由に求人広告掲載料を請求され た実例

介護業消費者トラブル

相談内容

とある事業を営むA社宛に、インターネット上で求人広告掲載サービスを提供しているB社から、「求人広告が2週間無料で掲載できるサービ
ス」についての案内がFAXで届いた。
人手不足の問題に苛まれていたこともあり、A社は、期間限定で求人を無料で掲載できるサービスを利用して人材を集めようと考え、必要事項
を記入した利用申込書をB社宛に送付した。
求人広告の掲載が始まり、無料で掲載が可能な2週間が経過した。そのまま時が経ち、最初にFAXで申込みをした時点から約ひと月が経過し
た頃に、突然B社より、無料で掲載できる期間を経過した2週間分の広告掲載料の支払いを求める請求書が届いた。金額にして数十万円という
内容であった。
A社には、当初より、無料で掲載できる2週間のみ同サービスを利用する考えしかなく、無料期間を経過した後も求人広告の掲載を継続する意
思はなかった。
そのため、A社は、B社からの請求に応じる必要があるのか相談するに至った。

                   

争点

A社は、B社より請求を受けている当該求人広告掲載料を支払う必要があるのか否か。

                   

解決内容

                   

A社には、求人広告掲載料を支払う意思がない旨記した内容証明郵便を送付した。その結果、B社から請求されることはなくなり、A社は求人広告掲載料の支払いをすることなく、すべての対応は完了した。

                   

弁護士の所感

                   

2018年頃より、本事案と同様のご相談をお受けすることが多くなっているのが実情です。
ある所定の期間の掲載無料サービスに申し込んだ後、その無料掲載期間が経過したのちに、利用解約等の意思表示をしないでいると、有料期間
へ自動的に更新され、結果として、広告掲載料の請求を受けるというものです。
近年、注目されてきている労働問題のひとつとして、慢性的な人手不足というものが挙げられます。そのような事情もあり、今回のような事案
が増加傾向にあるものと推測しております。
そして、本事案で問題となるのは、無料で掲載できる期間を過ぎてもなお求人広告が掲載されている場合に、求人広告の掲載料を支払わなけれ
ばならないのか(支払債務を負うのか)、という点です。
債務を負うか否かについての判断は、契約の内容次第です。原則として、申込みと承諾があれば、その条件に従った契約が成立するわけですが、今回の事案では、利用者であるA社は「無料期間のみサービスを利用する」という意思で申込んでいるため、その範囲(2週間の無料掲載サ
ービス)でしか契約は成立しません。従いまして、B社に対する広告掲載料の支払債務は負わないことになります。しかしながら、今回のケースも含め、同種のサービスの申込書のほとんどに、「掲載無料期間が経過する前に、利用者からの解約等の連絡がない場合には、広告の掲載は継続となり、加えて、自動更新後は通常料金で掲載する」という内容の規定が書かれているという実情があります。
このような規定が盛り込まれた申込書や、その他の書類に署名し、業者へ交付した場合、その内容で契約が成立することになります。そのため
、原則として、無料掲載可能期間が終わる前までに、サービス提供会社に対して、同サービスの継続利用をしない旨の意思表示をしない限り、
広告掲載料を支払わなければならないということになります。重要なことは、無料というメリットばかりに気を取られるのではなく、
申込書の細部まで確認して、しっかりと契約内容や注意点を理解・認識したうえで、各書類に署名するべきであるということです。サービスの
内容のみならず、それに付随する規約等まで確認することを忘れてはなりません。
しかし、実際のところ、この類の契約書を細部まで読み込み、理解することは簡単なことではありません。そのようなときにこそ、法律家に相
談していただければと思います。

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