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3次下請業者が工事途中で撤退したことから、2次下請業者が4次 下請業者に同工事の継続を依頼したことから、4次下請業者が同工事を行った ものの、2次下請業者が一切の下請代金を支払わないことから、同代金を請求 し、全額の回収に成功した事例

債権回収建設業

相談内容

建設業を営むX社は4次下請として太陽光発電設備設置工事の一部を3次下請業者であるA社から受注していた。ところが、工事途中においてA社が同工事から撤退したことから、2次下請業者であるY社はその後の工事の続行を4次下請のX社に依頼した。
X社はY社の要請に応えるため、Y社に対し見積書を提出し、工事に着手した。
Y社はその後もX社提出の見積書に特段の留保もしないままでいたところ、X社の工事完成後になって「単価が高い」「工事が終わっていない箇所がある」等といい、X社に対して一切の下請代金を支払わなかった。
そこで、X社が当事務所にY社からの下請代金の回収の相談をした。

                   

争点

X社とY社との間に下請契約が成立しているか。

                   

解決内容

                   

内容証明郵便による督促及びその後の交渉により、X社はY社から下請代金全額(1000万円以上)を回収することができた。

                   

弁護士の所感

                   

契約書の交付を義務付ける法律は種々存在しますが、本件の場合に下請契約書を下請業者に交付しないことは建設業法に違反するケースでした。
もっとも、契約書を交付していない場合、そもそも契約が成立していたのかという点で紛争になることがしばしばあります。
本件におけるY社は、契約自体を否定する主張ではありませんでしたが、単価等、契約の内容をめぐっては争いがありました。

本件では、X社が見積書を送ったのに対し、Y社は「確認いたしました」とのメールを送信しており、それ以外に特段の留保がなかったことから、X社が送った見積書どおりの単価で工事をする旨の契約が成立していたと考えられる事案でした。

特に建設業の世界では、現場において口頭で処理してしまい、契約書を交わさないまま工事が進んでしまう実態をよく見聞きします。
後々の紛争に発展しないよう、双方で契約書をきちんと取り交わした上で、工事に着手されることが重要です。

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