賃貸している建物の浴室で入居者が自殺したことから、その保証人へ賃料相当額と併せて浴槽の交換に伴う工事代金を請求し、その妥当性を認めさせた事例
業種不動産業不動産問題
相談内容
賃貸している建物の浴室で入居者が自殺したことに伴い、賃料・浴槽の交換やそれに伴い発生する工事代金を保証人へ請求したものの、保証人がその金額に納得せず難航している。
争点
借主の善管注意義務違反に基づく損害賠償の範囲がどこまでであるか。特にこの件では、浴槽の交換により、併せて洗面所の工事も必要であるため、その工事費用も損害に含まれるかどうか。
解決内容
1年分の賃料相当額・2年分の賃料減額相当額とともに、浴槽の交換とそれに伴って発生する工事代金を一括で支払う旨の合意にいたり、解決となった。
弁護士の所感
浴槽の交換に伴い、その構造上、交換作業に付随する工事代金まで発生することになるという点について、当事者間の認識に違いがありました。
そこで、双方の認識を一致させるために両者が立ち会ったうえで工事代金の見積もりを取得いたしました。それにより、相手方には浴槽交換に付随する工事も必要であるということを認めさせ、こちらの請求の妥当性を認めさせることができました。
さらに、相手方へ請求した賃料相当額についても、類似する裁判例との比較を行ったことにより、1年分の賃料相当額・2年分の賃料減額相当額の支払を受けることが出来ました。
実際に現場へ足を運び、この件が特殊であるということを相手方に理解させることができたことにより、このような解決ができたと考えます。