生活費をくれない夫への対処法 ~ 「モラハラ」や「経済的DV」にあたる可能性も

「夫が生活費をくれずに困っている」
離婚のご相談においては、そのようなお悩みを抱えていらっしゃる方も相当な割合でいらっしゃいます。

妻に必要な生活費をわたさないという行為は「経済的DV」といわれており、
内閣府による『男女間における暴力に関する調査報告書』においても、
配偶者からの被害のひとつとして
「生活費をわたさない」「給料や貯金を勝手に使われる」「外で働くことを妨害される」
などという『経済的圧迫』が挙げられているところです。

このような「経済的DV」はモラル・ハラスメント、いわゆる「モラハラ」の一態様として行われることもあります。
モラハラ加害者は、暴言や無視などによって相手から自尊心を奪い、相手に対して優位な立場を確立しようとするところに特徴がありますが、
経済的DVは、まさに妻への優位性を確立する手段となるからです。

しかし、夫が主に収入を得ている家庭において、夫が妻に生活費をわたさないことは
「婚姻費用分担義務」に違反する行為であるといえます。
夫婦間の協力扶助義務(民法752条)に基づき、夫婦間には婚姻費用、すなわち家族の生活費を分担する義務があり、通常、収入の高い方から低い方に対して、家庭裁判所が発表している算定表に定められた金額の婚姻費用を支払う義務があります。

そこで、夫が生活費をくれない場合、妻は夫に対し、婚姻費用の支払いを求めることができるのです。
このような婚姻費用の請求は、別居後に行うことが一般的ですが、同居中でも請求することは可能です。
もっとも、生活費をくれない夫はもともとお金に対する執着心が強いことが多く、とくにモラハラ夫の場合、婚姻費用の支払いに簡単には応じないケースも多くあります。

このような場合には、家庭裁判所に対して、婚姻費用分担調停を申し立てることができます。
夫側に婚姻費用の不払いがある場合、過去分として請求することができるのは、多くの場合、調停申立時からとされますので、夫が支払いに応じない場合は、なるべく早めに調停の手続きをとるべきです。

さらに、生活費をくれないということは「悪意の遺棄」や「婚姻を継続し難い事由」として裁判上の離婚事由にもあたる可能性があります。

弁護士に相談されると、生活費をくれない夫と離婚するために必要な準備や留意することについて、個々のご事情に応じたアドバイスを受けることができます。

夫が生活費をくれず、離婚を悩まれている場合には、ぜひ一度、弁護士にご相談ください。

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