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婚前契約書というのを聞いたことはございますか？
少し前に芸能人が婚前契約書を作成したことで話題となりました。契約関係を重視する欧米では比較的ポピュラーなようですが、日本ではまだまだ馴染みがありません。
そもそも、婚前契約書を作ること自体、相手を信頼していないことの裏返しであり、中々面と向かって作成をお願いすることは難しいでしょう。もっとも、４人に１人は離婚されると言われて久しい状況において、離婚は決して対岸の火事ではありません。実際に離婚問題が生じてから養育費や慰謝料の協議を進めることは簡単では無いですし、何より精神的負担が少なくありません。
もし、事前に大まかな養育費や慰謝料の金額が決まっていれば、離婚の際に協議すべき内容は少なくなります。何より、離婚の際に事前に支払う金額が決まっていれば、離婚しようと思うことも少なくなるかもしれません。
日本でも、結婚式で神様や皆様の前で永遠の愛とともに婚姻生活で不可欠ないくつかの約束を誓うことは少なくありません。その約束をもう少し具体化し、婚前契約書としてみてはいかがでしょうか。

結婚前に作成した契約であれば、法律上一定の効力を持ちます。もっとも、定めた約束の内容次第では、その効力の程度は違ってきます。
例えば、「家事・育児を一生懸命がんばることを約束する」といった文言だと、「家事・育児」の内容も明らかではなく、「一生懸命」の程度も人によって様々です。その為、何をもって約束を破ったのかという判断が難しく、また、約束を破った場合にどのようなペナルティがあるかも明らかではありません。
他方で、「〇〇の不貞行為によって離婚に至ったときは、〇〇は、●●に対し、慰謝料として金３００万円の支払義務があることを認める。」といった形で定めておけば、不貞行為の事実が明らかである限り、事前に慰謝料の合意ができており、よほど不合理な金額でない限り慰謝料の金額で争う必要はなくなります。
以上のとおり、婚前契約書を作成するにあたっては、可能な限り具体的に定めることが不可欠となっています。

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