お子様がいる方
離婚時に確認すること
お子様がいる方
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親権を決める際にやりがちな禁止行動
親権を決める際にやりがちな禁止行動 違法な連れ去り行為、面会交流の禁止など 裁判所が親権を決定する際の判断基準 よくあるご質問のうち、財産分与に関するご質問をまとめました。 親権について お子様について決めておかなくてはならないことなど 現状尊重の基準(継続性の原則)が優先されるのであれば、先に子供を連れ去り、監護養育の実態を作ってしまえば良いのではないかと考えがちです。 しかし、同意を得ないままでの連れ去りは違法な連れ去りと評価されかねず、子供の引渡し請求等の法的手続を別途取られかねません。特に、過去に監護をそれほど担っていなかった方による連れ去りは違法と評価されがちであり、お子様の環境が短期間で何度も変わりかねません。 したがって、違法な連れ去り行為はお勧めできません。 裁判所は、必ずしもフレンドリーペアレントルールを重視しているわけではありませんが、合理的な理由が一切無い中で面会交流を一方的に禁止することはお勧めできません。通常、お子様にとっては両親双方がそれぞれ大切であり、親の事情のみで親子の絆を断ち切ってしまうのは、その後のお子様の成長にとっても好ましくないからです。 親権の判断基準の一つとして、「子の意思の尊重の基準」というものが存在することもあり、親権取得を希望する親はとかく相手側の悪い部分を吹き込みがちです。もっとも、このような行為はお子様を双方の両親の間に立たせることになり、お子様の精神面にとって極めて重い負担を与えかねません。 あまりに悪質な場合は、親権者として不適切という烙印すら押されかねませんので気を付けましょう。 [myphp file='link-child']
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裁判所が親権を決定する際の判断基準
親権を決める際にやりがちな禁止行動 違法な連れ去り行為、面会交流の禁止など 裁判所が親権を決定する際の判断基準 よくあるご質問のうち、財産分与に関するご質問をまとめました。 親権について お子様について決めておかなくてはならないことなど 法律上、親権者指定の具体的な基準は定められていません。 一般的には、父母の双方の事情(監護に関する意欲と能力、健康状態、経済的・精神的家庭環境、居住・教育環境、子に対する愛情の程度、実家の資産、親族・友人等の援助の可能性など)や、子の側の事情(年齢、性別、兄弟姉妹関係、心身の発育状況、従来の環境への適応状況、環境の変化への対応性、子自身の意向など)などを比較考量しながら決定されるべきものとされています(松原正明「家裁における子の親権者・監護権者を定める基準」『夫婦・親子215題』判例タイムズ747号305頁)。 他方で、不貞行為や暴力行為などの離婚原因の基礎となった事情は、当然に親権を決定する際の判断基準となるものではありません(もちろん、不貞行為に及んだ結果、子供の福祉に悪影響を及ぼすようなことがあれば間接的に親権の判断に影響を与える可能性は十分にあります。)。 その上で、裁判所で親権を決定するにあたっては、以下の代表的な考慮事情が主な判断要素となることが多いです。 従前、主に監護を担ってきた者が引続き監護を担うべきという考え方です。 他の考慮事情と比べても圧倒的に重視される傾向があり、特段の事情が無い場合、多くのケースで現状尊重の基準(継続性の原則)をベースに親権の判断がなされがちといっても過言ではありません。 父親側のご相談者の方から「親権はどうせ母親が有利なんでしょ?」という嘆きともとれるご相談を頻繁にいただきます。 もっとも、母親優先の基準は必ずしもお子様の年齢にかかわらず常に優先されるものではなく、授乳が必要な場合等、生理学上どうしてもお子様にとって父親よりも母親が重要となる乳幼児期に限られます(この点は色々な考え方が少なくとも筆者はそのように考えています。)。 「親権はどうせ母親が有利」という結果は、生理学上の母親か父親かという違いによるものというよりも、むしろ日本の多くのご家族が、いまだに父親が主に就労により生活費を得て、母親が主にお子様の監護を担ってきたという社会的役割によるところが多分にあり、「母親優先の基準」というよりも「現状尊重の基準(継続性の原則)」によって結果的に母親が親権を取得することが多いということだと考えられます。 したがって、仮に母親が父親と同様、あるいはそれ以上に就労に従事し、父親が主にお子様の監護を担ってきたようなケースでは、お子様が乳幼児期でない限りは当然に母親が優先されるわけではありません。 どちらが親権者になるかはお子様にとっても極めて重要な事項の為、お子様の意思は当然重視されるべきものです。もっとも、お子様の年齢によってはそもそも意思表示ができない、あるいは十分な判断能力を有していない等の理由にとって、必ずしもお子様の意思を重視すべきではありません。 この点、お子様が15歳以上である場合は、裁判所でお子様の陳述が聴取されることが法律上必要となっています。またお子様が概ね10歳前後程度に達している場合も、何らかの形でお子様の意見が聴取されることが殆どです。 ただし、お子様は監護の状況や見通し等によって、本心とは異なる意見を述べられることも少なくありません。お母さんの機嫌が悪くなるので、本当はお父さんに会いたいけどあえて会いたくないと話すお子様もいらっしゃいます。 裁判所もそのような事情は十分に熟知している為、お子様の意思は可能な限り聴取するものの、他の事情を総合して親権者を判断するのであり、お子様の意思のみをもって親権者を指定することは殆どありません。 一切親権が取れないという状況を回避する為、夫婦間で兄弟姉妹を分離して親権を取得しないかという提案がなされることがあります。もちろん、協議段階であれば夫婦間のみで親権を決めてしまうこともできますが、裁判所は基本的に兄弟姉妹を分離すべきではないと考えています。 裁判所では、比較的重視される基準です。 Q1 相手と比べて収入が低く生活が安定していないが親権を取れないのか。 A1 経済的事情は親権の一つの判断要素となります。もっとも、通常は、養育費という形で夫婦の収入差は一定程度是正されますので、余程極端な状況でなければ収入が低いことのみを理由に親権が取れないということはありません。 そもそも、幼いお子様の親権を取得し、監護・養育を一人で担うとなれば従前通りにフルタイムで働くことは容易ではありません。実際、多くのケースで専業主婦の方、あるいはパートタイムの方がお子様の親権を取得されています。 Q2 相手の不貞行為によって離婚せざるを得なくなったのに親権までも取られてしまうのか。 A2 残念ながら不貞行為自体は直接的に親権の判断基準となるものではありません。他方で、不貞行為に及んだ結果、子供の福祉に悪影響を及ぼすようなことがあれば間接的に親権の判断に影響を与える可能性は十分にあります。 Q3 面会交流の実施の有無は親権の判断基準になるのでしょうか。 A3 面会交流の実施の有無も一定程度親権の判断基準になり得ます。一般的にフレンドリーペアレントルールと言われ、面会交流に協力的な親権者を面会交流に非協力的と比べて親権者に指定すべきという考え方が存在します。 もっとも、一切面会をさせないといった極端な事例であればさておき、一般的な範囲で面会交流を認めていれば、必ずしも相手がより自由な面会交流を認めていたとしても当然に親権をできなくなるというわけではありません。 なお、近年ではフレンドリーペアレントルールを重視した平成28年3月29日千葉家庭裁判所松戸支部判決(第1審)を退けた平成29年1月26日東京高裁判決(第2審)に対する父親側の上告を棄却した平成29年7月12日最高裁第二小法廷決定が非常に有名です。 [myphp file='link-child']
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親権
親権を決める際にやりがちな禁止行動 違法な連れ去り行為、面会交流の禁止など 裁判所が親権を決定する際の判断基準 よくあるご質問のうち、財産分与に関するご質問をまとめました。 親権について お子様について決めておかなくてはならないことなど 離婚の際、未成年のお子様がいる場合には、お子様について決めておかなくてはならないことがあります。 離婚前に決めておく必要があるのは、主に 父母のどちらが親権者となるのか お子様を引き取らない側が負担する養育費の支払い額と支払方法 離婚後のお子様の戸籍と名乗る姓 引き取らない側の親とお子様との面会をどのように行うか 以上の4点です。 ここでは、1.について解説いたします。 親権には、「身上監護権」と「財産管理権」の二つがあります。「身上監護権」とは、お子様の衣食住の世話をし、教育やしつけをする権利と義務のことです。「財産管理権」とは、その名の通り、財産を管理する能力のない未成年に代わって法的に管理し、契約などの代理人になる権利と義務のことです。 通常は、お子様を引き取った親が親権者となり、日常的な世話、教育をすることが多いため、親権と監護権が同一人に帰属します。 もっとも、親権の取り合いで争いになった場合に、まれなケースですが、親権から身上監護権のお子様の世話や教育の部分の権利と義務を分けて、親権者と監護権者に分けることで解決をはかることもあります。つまり、親権者ではない親がお子様を引き取り、監護権者としてお子様の日常的な世話や教育、しつけを行うことになります。 親権者 →財産管理権の部分の権利と義務を負う 監護権者→身上監護権の部分の権利と義務を負う お子様が複数いる場合には、それぞれの親権者を決めなければなりません。お子様への精神的な影響を考えると、原則として兄弟姉妹は同一の親権者であることが望ましいとされていますが、お子様の年齢や親の資力等の様々な事情によって、親権者が父母別々になることもあります。 離婚届には、未成年のお子様の親権者を記入する欄があります。協議離婚の場合は、親権者が決まっていないと離婚届けが受理されず、離婚はできません。 親権の取り合いになり、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所で調停を行います。離婚調停とともに、親権者の指定を申し立てることもできますし、親権だけの調停を求めることもできます。調停もあくまで話し合いの場なので、調停で決まらない場合には、最終的に裁判で決着をつけることとなります。裁判離婚では、家庭裁判所が離婚を認めるときに親権も指定します。 ※クリックで大きい画像が開きます 家庭裁判所が親権を決めるときには、特別な事情がない限り、乳幼児であれば母親が優先されています。これは「母性優先の原則」と呼ばれています。乳幼児にはどうしても授乳が必要であるため、母親と子が共にいるほうが、お子様のためになるからです。 また、お子様の現在の生活環境を維持するため、育児の放棄などの問題がない限り、実際に子を監護養育している親を優先します。これは、「継続性の原則」と呼ばれています。子がこれまで育ってきた環境を変えないことが、子のためになるからです。 したがって、離婚に先駆けて別居する際は、親権を取得したい場合には、お子様を連れて出た方がよいでしょう。 お子様が二人以上いる場合には、基本的には兄弟姉妹は同一の親権者が指定されることとなります。これまで一緒に育ってきた兄弟姉妹が離れ離れになってしまうことは、お子様にとって多大なストレスになるからです。 親権者となる親が心身ともに健康であること、お子様に接する時間が多いことも判断材料の一つです。 子が満15歳以上であれば、裁判所は子の意見を聞かなければならないことになっています。満15歳未満であっても、お子様の発達状況によってはお子様の意思が考慮されます。 妊娠中に離婚した場合は、母親が親権者になります。ただし、出産後に話し合いによって、親権者を父親に変更することもできます。 離婚後の親権者の変更は父母の話し合いだけではできません。親権者の変更を求めるときは、家庭裁判所に親権者変更の調停または審判の申し立てをしなければなりません。申し立てはお子様の父母に限らず、おじ・おばなど親族でも可能ですが、子自身からはできません。 親権者の変更が認められるのは、親権者が病気になりお子様の世話ができなくなった場合や、お子様を虐待する、お子様の養育環境が著しく変化した、など、親権者の変更がお子様にとって必要とされる理由のあるときのみです。 家庭裁判所の調査官は事実の調査を行い、親権者の変更がお子様の福祉と利益のために必要かどうかを判断します。お子様が満15歳以上の場合はお子様の意見を聞き、その意見を尊重します。親権者変更が確定したら、確定した日から10日以内に市区町村役所の戸籍係に親権者変更を届け出ます。 なお、親権者と監護権者を別々に決めていた場合で監護権者を変更したいというときには、当事者の話し合いだけで決めることができます。 親権について当事者間で全面的に争いがある場合、なかなか当事者間で協議が進むことはありません。金銭や物のように分割することができないのはもちろんですが、それ以上にそれぞれのお子様に対する様々な想いがある為、協議段階で譲り合って解決という結論になりにくい為です。 その為、親権について全面的に争いがある場合、どうしても調停や訴訟といった手続に移行しがちになります。 当事者間の協議と異なり、調停・訴訟手続は家庭裁判所を利用した手続です。調停手続自体はあくまで家庭裁判所で実施するお話合いの手続ではありますが、大きな特色として、親権が争点になっている際は、いわゆる家庭裁判所の調査官が、公平な第三者としてお子様の監護状況や意向調査を実施し、親権者の適正について報告書を作成される点にあります。もちろん、調停段階ではあくまで参考意見にとどまり、裁判官等が強制的に親権者を指定するわけではありませんが、仮に調停が不成立となり、訴訟を申立てた際も親権を決定するにあたっての重要な資料となります。 その為、調停段階から、いかに家庭裁判所の調査報告書にどのような記載がなされるのかを意識した上で対応する必要があります。 どの範囲において調査を行うかは個別具体的な事情によって様々です。ただ、一般的な調査対象や手順としては以下の流れになることが多いです。 ⑴ 事前に「子の監護に関する陳述書」を作成 現監護者は、現在のお子様の監護状況を中心に、非監護者は今後親権者となった場合にどのように監護していくかを中心にお子様の監護状況について書面で説明をしていくことになります。現在のご収入や就業先、お子様の監護を補助して下さる監護補助者の有無や健康状態、自宅の間取り等、お子様の監護状況について可能な限り詳細を記していくこととなります。 子の監護に関する陳述書に記載した内容が当然に事実として調査官や裁判所に認めていただけるわけではありませんが、各種調査の際に参考にされるものとなる為、調査委に際して着目していただきたいポイントについては特にこの段階で強調しておく必要があります。 したがって、子の監護に関する陳述書を作成するにあたっては、親権がどのように判断されるかについて詳しい弁護士に確認していただくことをお勧めいたします。 ⑵ 当事者がそれぞれ別に家庭裁判所に呼ばれ、調査官よりヒアリングを受ける。 子の監護に関する陳述書の記載を元に、実際に調査官がお父様又はお母様と直接お会いし、双方のご意見を伺います。 あくまで、双方の言い分を確認し、整理することが前提となっている為、陳述書同様、このヒアリングの際に話した内容が当然に事実として調査官や裁判所に認めていただけるわけではありません。その為、相手の主張されている言い分について一喜一憂される必要はありませんが、他方で、この段階でお伝えされるべき事項をお伝えしないままだと、親権を判断するにあたって重要な事情が調査官や裁判所に伝わらない場合もあります。 多くの方は、そもそも裁判所という場所に行くこと自体もなかなかありません。また、調停委員とは、調査官とはどのような方々なのか、裁判官とは何が違うのかもあまりよく分からないという方々が殆どなのではないでしょうか。そのような中で、きちんと調査官に対して伝えるべき事情を伝えるということは決して簡単なことではありません。 弁護士に依頼されている場合、弁護士がこのような調査官調査に同席し、随時サポーえいただく必要はありますが、「見落としている部分がないか」等も含めて弁護士がお手伝いさせていただくことがより盤石の体制を整えることができます。 ⑶ 現監護者の自宅訪問調査 以上の経緯を踏まえ、実際に調査官が現監護者のご自宅に伺って監護状況を確認する場合がございます。ご自宅の間取りや衛生状況がお子様を監護するに際して適切な状況なのか、現監護者を親権者として指定して良い程度にお子様との関係が円満に築かれているのか等が調査官の目で実際に確認されることとなります。 ⑷ 幼稚園、保育園、学校等の関係者調査 お子様のご年齢や状況によっては、別途お子様が通われている幼稚園、保育園、学校等の教育施設でも調査が実施される場合があります。担任の先生等、監護者とは別の視点でお子様を日々見られている方の意見等が参考になる場合も多いからです。 ⑸ 調査報告書の作成 以上の調査を踏まえ、調査報告書が作成されます。概ね調査命令が出されてから2か月前後で報告書が作成される傾向にあります。調査報告書の記載内容は様々ですが、親権者が争点の場合、最終的に当事者のいずれが親権者として適切かと明記されることになります。訴訟段階においては、家庭裁判所の裁判官が実際にはお子様に直接お会いしたり家庭訪問をしたりするわけではない為、親権を判断するにあたってはこの調査報告書の結果が非常に重視される傾向にあります。 もっとも、調査報告書の結果自体が万全なわけではありません。調査段階では明らかでなかった事情や見過ごされている事情がある場合もあります。そのような場合に、きちんとそのような事情にスポットライトを当て、法的な主張立証を尽くすことで調査報告書の記載とは異なる結論となる場合も決してないわけではありません。 したがって、調査報告書の結果がどのような内容であっても、決して油断せず、また諦めずに対応していくことが重要です。 親権を争う前段階として、いわゆる監護権が争点となるケースが頻繁しております。昨今、子の連れ去り問題がフォーカスされがちで、その是非については本稿では触れませんが、実際に子の連れ去りに伴って子の引渡し請求、監護者指定という手続を申し立てる場合、あるいは申し立てられる場合が少なくありません。 一概には言えませんが、多くのケースではお子様の監護状況を極力何度も変更しない方が良いだろうという考えが働きがちなため、お子様が連れ去られてから時間が経過し、監護実績が積み重ねられてしまうと、仮にその段階で子の引渡し請求をしたとしても引渡しが認められる可能性が少なくなりかねません。その為、お子様が連れ去れた場合は、速やかに子の引渡し請求及び監護者指定の手続を行う必要があります。 また、その際はいわゆる「本案」手続のみならず、より早く期日を行う「保全」手続も同時に申し立てることをお勧めいたします。「本案」手続の場合、最短でも初回期日が1か月以上先になることが多いですが、「保全」手続の場合、早ければ1週間後に最初の審尋期日が設けられる場合もある為です。もちろん、「保全」手続が認められる為にはお子様を直ちに引き渡すべき緊急の必要性が存在することが要件となり、容易ではありませんが、少なくとも手続が早期に開始され、面会交流の実施も含めてお子様との接点をできるだけ早くに回復するという意味で非常に重要です。 このように子の連れ去りに伴うお子様の監護権が問題となるケースでは、子の引渡し請求、監護者指定の手続、保全手続等の知識・経験が不可欠です。 親権、監護権の問題は、調査官調査にどのように適切に対応していくのかが非常に大切です。また、子の連れ去り事例はいかに迅速に各種手続を進めていけるかが結論を大きく左右しかねません。大切なお子様の親権・監護権について全面的に争われている場面においては、できるだけ早く弁護士に依頼されることをお勧めいたします。 親権は、取れるか取れないか、いわば100か0かの争いなので、夫婦双方が譲り合わない場合が非常に多いです。弁護士に相談することによって、親権をとるための戦略や、そもそも親権をとらない代わりに面会交流を増やす交渉をしたほうが得策であるのではないか等、あなたとあなたのお子様にとって一番よい方法を一緒に考えていくことができます。 親権争いは、離婚するうえでご本人にとって最も精神的負担が多いことの一つです。また、夫婦双方が感情的になってしまい、まとまるものまとまらない、ということも多々あります。弁護士が間に入ることによって、冷静な話し合いができ、ご自身の負担も減らすことができます。親権争いでお悩みの方は、ぜひ一度弁護士に相談することをお勧めします。 [myphp file='link-footerban'] 「親権」に関するQ&A よくあるご質問のうち、親権に関するご質問をまとめました。 「親権」が争点の解決事例 当事務所が解決した事例のうち、親権が争点であった事例をまとめました。 子どもの連れ去り緊急相談室 配偶者やその家族に子どもを連れ去られてしまった場合、早急な対応が重要です。なるべく早い段階で、当事務所にご相談ください。 [myphp file='link-child']
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面会交流
離婚の際、未成年のお子様がいる場合には、お子様について決めておかなくてはならないことがあります。 離婚前に決めておく必要があるのは、主に 父母のどちらが親権者となるのか お子様を引き取らない側が負担する養育費の支払い額と支払方法 離婚後のお子様の戸籍と名乗る姓 引き取らない側の親とお子様との面会をどのように行うか 以上の4点です。 今回は4.について解説します。 お子様と離れて暮らす親には、離婚後、お子様と会ったり、連絡を取ったりする権利があります。これが、面会交流権です。面会交流については、民法766条に定めがあります。 面会交流について定めることなく離婚をすることは可能ですが、離婚前に決めておくことをお勧めします。離婚が成立した後では、自己に有利な面会交流を行うための交渉材料が少なくなってしまいますし、離婚に関することは一度に決めておいたほうが、後の紛争を防止することにもなるからです。 面会交流については、例えば以下のような事項について取り決めておくことが考えられます。 ・面会の頻度(1ヶ月に何回会うのか等) ・面会の時間(何時間会うのか等) ・面会の場所 ・連絡方法 ・宿泊の有無 ・お子様の受け渡し方法 ・学校行事・特別な日の面会交流 ・長期休暇の場合 ・間接的な交流の方法 ・小遣いやプレゼントの可否 以上のような事項を話し合いにより取り決めておき、話し合いがまとまった場合にはそれを書面化しておくことも重要です。口頭での合意では、時間の経過ととも合意内容が不明確となったり、相手方がのちに同意はしていないなど話をしてくるリスクもあります。なお、後述のとおり、どこまで具体的に合意書に記載するかはよく検討する必要があります。 面会交流の回数や方法については、もちろん、当事者間で合意が取れ、実施が可能であればその内容とすることになります。もっとも、面会交流の回数や頻度については月1回程度が目安と考えられます。 また、方法についても、単に面会するだけの場合もあれば、旅行に行く、学校行事に参加をするといった様々なものが考えられます。そのほか、間接的に接触する方法として電話、手紙、メール又はテレビ電話といったものも考えられます。そのため、合意書に全てを網羅する形で柔軟に面会交流をするために、「子の福祉を考慮し、当事者間で事前に協議して定める」と合意をしておいて、合意書の条項を抽象的なものにすることも一般的です。もちろん、事前の協議が難しいことも想定され、仮に調停で合意をする場合で面会交流に関する強制執行を想定されるような事案の場合には、「面会交流の場所は、申立人の住所地とする。」と明確に場所を定めることもあります。 仮に、当事者間の合意ができず、調停もまとまらない場合には、裁判所が子の福祉に適うようこの年齢、性別、性格、意思、生活環境等、子に与える影響、同居親の監護養育に与える影響などを考慮して裁判所が判断をすることになります。 話がまとまらないときは、家庭裁判所に面会交流の調停を申し立てることができます。調停でも話し合いがまとまらなかった場合は、審判に移行します。 審判というのは、調停の結果を踏まえて、裁判官が面会交流について決めることをいいます。しかし、審判に対しては当事者どちらかが異議を申し出ることによって裁判官の判断を拒否することができますので、審判で面会交流が決まるということはあまりありません。 そのため、面会交流の調停が不成立に終わった場合には、訴訟に進むことが多いです。訴訟では、面会交流について判決で決定してもらうことができます。判決が確定した場合には、面会交流をさせる側は、相手方に面会交流をすることを義務付けられます。お子様を引き取った側は、理由もなく、別れた相手とお子様との面会を拒否することはできません。 ただし、相手に会うことがお子様の福祉にとって害がある場合は、面接の拒否や制限をすることができます。 理由を説明して面接の拒否を申し入れても相手が納得しないときは、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に面会拒否の調停を申し立てます。また、以前取り決めた面会交流の内容を変更したい場合にも、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。 調停では、調査官がお子様の生活状況や精神状態、意思などを調査して、お子様にとって適正な取り決めができるように話し合いをします。調停でも話し合いがまとまらなければ、審判、訴訟に移行します。これらの流れは、面会交流の調停と同様です。 面会交流の実施については、民間機関でも支援を行っています。そして、その支援方法としては、付き添い、受け渡し又は連絡調整といった種類があります。支援機関としては、公益社団法人家庭問題情報センター(通称「F P I C」))というところがあります。同支援機関を利用するためには、事前相談を受けることやF P I Cが求める内容を面会交流に関する条項を合意書に定めることが必要となっています。そのため、面会交流の実施に不安を感じる場合や第三者機関の利用を考えている場合には、面会交流の合意をする前に事前に相談をすることが必要です。 また、厚生労働省も面会交流支援事業を行っており、条件を満たせば面会当日の子供の引き取り、相手方への引き渡し、交流の場に付き添うといった援助を受けることができます。そのほかにも、各自治体や小規模ながらN P O法人などが面会交流支援事業を行っている例もあるようです。 面会交流は、親権と絡んで、問題になる場合が多いです。例えば、離婚する際に、夫が週に1度面会交流をさせてくれるのであれば親権は母親に譲る、などです。親権が取れない場合でも、面会交流によって、お子様との信頼関係を築いていくことは十分可能です。 ご自身に有利な面会交流を実現するためには、弁護士を入れることが有用です。冷静な話し合いができるだけでなく、交渉のプロとして、相手の弱い部分、こちらの弱い部分を把握したうえで一番良い解決方法を示していきます。 ぜひ一度弁護士にご相談ください。 [myphp file='link-footerban'] 「面会交流」に関するQ&A よくあるご質問のうち、面会交流に関するご質問をまとめました。 「面会交流」が争点の解決事例 当事務所が解決した事例のうち、面会交流が争点であった事例をまとめました。 [myphp file='link-child']
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養育費
養育費とは、一般的に、父母の離婚後に子どもが生活するために必要な費用のことで、衣食住の費用のほか、教育費や医療費、小遣いなどの適度な娯楽費も含まれます。 離婚後、父母はその経済力に応じて養育費を分担しますが、通常、子どもを引き取って育てる側の親(監護親)に引き取らない側の親(非監護親)が養育費を支払います。 離婚をしても親には子どもの扶養義務があります。養育費は離婚の原因や親権者が父母どちらかにかかわらず支払われるべきものです。 ▶ 養育費のシミュレーションはこちら 養育費の支払期間は、第一次的には父母の話合いで決めますが、家庭裁判所の判決や審判の場合には、20歳までが対象となることが一般的です。よくご相談者(養育費を支払う非監護親のほう)から「民法改正で成人年齢が18歳までになったので、養育費も18歳まで払えばいいのではないか。」と相談を受けますが、民法が改正されたからといって、法改正の前後で子どもが社会に出る時期の実態が変わったわけではありませんし、家庭裁判所の実務では変わらず養育費の終期は原則20歳までとされています。 もっとも、いまは大学進学率も高いですし、監護親も子を大学まで行かせたいと思うことは多いので、協議や調停で養育費の定めをする場合には、大学卒業までを終期とすることも実務上はかなり多いです。 養育費の金額に法的な規制があるわけではないので、父母の収入や財産、生活水準などに応じて話合いで決めます。話合いで決める場合には、その取決め方にルールはありません。 もっとも、裁判所や弁護士が介入した場合には、いわゆる「算定表」ないし「算定式」というツールを利用して養育費額を決めることが多いです。 これは、子の数と年齢別に、自分(請求側)の収入を横軸、相手(請求される側)の収入を縦軸とした算定表をもとに、養育費を算出するものです。東京家庭裁判所のホームページに算定表の実物とその使い方が掲載されています。 ここまでは、一般の方でも、弁護士に相談するまでもなく認識されていることが多いようで、弁護士のところに相談に来られる方は、算定表の存在自体は大体皆さんご存知です。 ただし、この算定表は、子の人数、年齢、双方の収入を当てはめるだけで適切な養育費の水準をはじき出してくれるとても便利なものですが、実はその使い方は非常に奥が深いものです。たとえば、この算定表では、養育費については公立学校相当の教育費(~14歳の場合には年額約16万円、15歳~の場合は年額約26万円)しか反映されていませんので、子にそれ以上の教育費がかかっている場合には超過分を請求できる場合があります(「請求できる」と断言していないのは、父母の学歴と比較して過剰な教育ではないかとか、非監護親がその教育を容認しているかなどのファクターが関わってくるためです。)。 養育費は、話合いで決めた期限まで毎月一定額を金融機関に振り込む形で支払うのが一般的です。 もちろん、父母で合意すれば、将来分の養育費をまとめて払ってしまうということも合意は可能です。もっとも、仮に監護親の金銭の使い方に計画性がなく、早いうちに一括で払われた養育費を使い込んでしまったケースをイメージしてください。そのような場合、非監護親としては、「離婚時に一括で養育費を払った以上は、その後の使い込みのことまで責任は持てない、追加の養育費など払わない」、と当然言いたくなるでしょう。なお、ここでは、一括で払い込んだ養育費が、離婚時の合意書等で明確に「(一括払の)養育費」として特定されているとします。しかし、このような場合でも、監護親の使い込みあるいは無計画により、子の生活すら危ぶまれるような場合には、子ども自身から、「扶養料」として生活費の請求がされてこれが認められることがあります。一括で払ってしまうことには、監護親にとってはメリットが多い(毎月の縫う金がきちんとなされているかを都度確認する義務がありませんし、始めに一括で払い込まれた養育費を運用して、結果的に、分割でもらうケースと比べて大きな金額にすることができるかもしれません。)一方、非監護親にとってはリスクがそれなりにあるのです。たとえ非監護親の方のほうの預貯金に余裕があるとしても、一括払の合意をする際は、(非監護親の方は)注意しましょう。 離婚時に子が幼少の場合には養育費の支払は長期間に及ぶので、不払いトラブルも少なくありません。養育費について話合いをしたら、必ず、その内容を文書で残すべきです。そして、文書には、支払期間(終期)、金額、支払方法を明記すべきです。 また、文書化する際は、可能な限り公正証書にすることが望ましいです。公正証書にしておけば、あとあと支払いが滞った場合に裁判を起こさなくても、相手方の給料や財産を差し押さえること(強制執行)ができます。 また、家庭裁判所の手続きを経て離婚する調停離婚・審判離婚・裁判離婚の場合には、公正証書による取決めがなくとも、強制執行により非監護親の預貯金や給料を差し押さえることができます(養育費については、将来分も予め強制執行することができるなど、民事執行法上の特則により制度が手厚くなっています。相手方が勤務先を退職して逃げた場合でも、次の転職先をある程度は追うこともできます。怖いですね。養育費はきちんと払いましょう。)。 離婚後に事情の変化があれば、双方の話合いで養育費の増額・減額をすることができます。話合いがつかない場合には、家庭裁判所に養育費変更(増額or減額)の調停を申し立てます(もちろん話合いを省いて調停をしても構いません。)。調停での話合いにより結論が出なければ「審判」という手続きに自動移行して裁判官による判断がなされますので、相手方が応じなければダメだという類のものではありませんので、相手方が応じないだろうというだけで手続をあきらめるべきではなく、手続き自体は積極的にしていくべきでしょう。 もっとも、審判も裁判の一種ですので、法律あるいは裁判例の基準を満たしていなければ、(相手方が応じない場合には)なかなか養育費の変更は認められません。 養育費の増額が認められる正当な理由としては ・子どもの進学や授業料の値上げによって養育費が増加した ・子どもの病気や怪我で多額の医療費がかかった ・監護者の病気やけが、リストラや会社の倒産で収入が低下した などがあります。 養育費の減額が認められる正当な理由としては、 ・リストラや会社の倒産、事業の失敗、病気、怪我などで、支払う側の収入が低下した ・監護者が就職等で経済的に安定した などがあります。 また、増額・減額を基礎づける正当理由があることに加え、その理由が「元々の養育費額設定時に予想できた事情かどうか」が重視されます。上記の例でいうと、病気が当初から分かっていた場合や、会社の倒産が当初から予想されておりそれが双方の共通認識だった場合には、審判で養育費額の変更は認められづらい方向に働くと思われます。 上記のとおり、養育費額の変更には「正当理由」が必要となるので、「当初合意で取り決めた養育費が算定表より高いまたは低い場合」には、その理由だけで、算定表に基づいた養育費に取り決めなおしたいとの主張は、通りにくいです。ただし、過去の養育費が最初から虚偽や事実の隠蔽により不当に決まり、その養育費を維持することが著しく当事者の公平に反するような場合や、当初の養育費の合意が時期を限定した合意である(と諸々の事情から解釈できる)場合は、算定表による養育費への見直しが認められることもあります。 また若干特殊なケースとしては(「特殊」と言っても実際にはそれなりの頻度で生じます)、監護親が再婚し、子どもと再婚相手が養子縁組をするケースがあります。この場合は、再婚相手(養父)が第一次的な扶養義務者になり、実父の扶養義務が後退する結果、養父に子どもの扶養能力がないなどの事情(心情的にはそのような経済状況で子を養子にするなと言いたくなってしまうかもしれませんが)がない限りは、子の養育費は免除されることになります。ただ、この場合でも養父と子の養子縁組により自動的に養育費支払義務が消滅するわけではなく、監護親の方と合意をするか、養育費減額(免除)調停を起こす必要があります。 養育費の終期についても同様です。養育費設定時は子が大学に行くか分からないので終期を20歳と設定していたが、その後、子が大学に進学したため終期を22歳ないしは大学卒業時までというかたちで延ばすことも、調停や審判にて決めることになります。子が将来的に大学に行くかは予想しづらいところなので、このパターンは、一般的に、当初の設定時に予想出来なかったとも言いやすいと思われます。 現在の実務において養育費は一般的に標準算定方式(標準算定方式に基づき簡易早見表を作成したものがいわゆる「算定表」です。)に基づいて大まかな相場が定められております。その為、多くの件はこちらの標準算定方式に基づいて定められていく傾向があります。そうだとすると、養育費問題について弁護士に依頼しても、結局は標準算定方式どおりに決まってしまう以上、弁護士に依頼する必要は無いのでしょうか。 必ずしもそうではありません。あくまで標準算定方式は早期に養育費の金額を確定する為に統計資料等に基づき計算式が定められ、機械的に金額を算出しています。個々の事情によって修正される場合があることまで否定されているわけではなく、きちんとそのような事情を主張立証できれば、標準算定方式と異なる結果となることは決して珍しいことではありません。 このように、養育費問題に熟知した弁護士に依頼し、きちんとご自身の個別の事情を踏まえた主張立証を行うことで、標準算定方式と異なる結果を得られる場合がございます。 ⑴ 自営業者の場合 自営業者の場合も原則として確定申告書記載の「課税される所得金額」を前提に、標準算定方式に基づいて養育費が算定されます。実際、算定表の収入欄には給与所得者の収入と併記される形で自営所得者の収入が記載されています。 もっとも、給与所得者の収入は源泉徴収票等に記載の総収入を単純に参照すれば良いのに対し、自営所得者の場合は必ずしもそうではありません。 「雑損控除」、「寡婦、寡夫控除」、「勤労学生、障碍者控除」、「配偶者控除」、「配偶者特別控除」、「扶養控除」、「基礎控除」、「青色申告特別控除」といった現実に支給されていないものについては「課税される所得金額」に加算されるべきものです。また、小規模企業共済当化基金控除や寄付金控除も、性質上、養育費の支出に優先すべきものではない為、加算されます。 その他、自営業者の場合、節税等の観点から必要経費が必要以上に計上されている場合が事実上多々あります。そのような経費が本当にその事業を維持する為に必要な経費なのか、単に生活費として支出したものまで経費として計上していないかについて精査すべき場合もございます。 以上のとおり、自営業者の場合、養育費を算定するにあたって前提となる収入の考え方に大きな幅が生じかねない為、事実関係をきちんと精査し、法律上の主張立証をきちんとしているかによって大きく差が出る場合があります。 したがって、当事者が自営業者の場合、弁護士に依頼するメリットは大きいといえます。 ⑵ お子様の教育費が問題となる場合 標準算定方式によって定める養育費は、公立中学校・公立高等学校に関する学校教育費のみが考慮されています。その為、お子様が私立中学校・私立高等学校に進学した場合、塾や習い事を利用している場合、大学等の教育期間に進学した場合の養育費や進学費用については別途検討される必要があります。 もっとも、当然に義務者が全ての教育費について支払い義務を負うわけではあるなせん。従前より義務者が承諾していたかどうかという事情の有無や、義務者の収入・学歴・地位等の一切の事情が考慮されることになります。また、具体的にどの部分の費用が対象となり、どのような方法で加算されるかについては細かい計算を要する場合もあります。 このように、お子様の教育費が問題となる場合、これまでの教育に関する夫婦のやり取りや行動をあらためて整理し、法律上の主張立証をきちんとしているかによって大きく差がでる場合があります。 したがって、お子様の教育費が問題となる場合、弁護士に依頼するメリットは大きいといえます。 ⑶ 夫婦間の子以外の被扶養者がいる場合 認知した子がいる場合や、前妻との子を監護養育している場合等、夫婦間の子以外に被扶養者がいる場合も標準算定方式による計算が複雑化しやすい傾向にあります。 このような場合、義務者が当該被扶養者と実際に監護養育しているのか、単に養育費を支払っているだけなのかによっても検討方法が変わる可能性があります。 したがって、夫婦間の子以外の被扶養者がいる場合、適切な金額を算出するにあたっては弁護士に依頼することで金額が大きく変わることもありますので、一度ご相談ください。 養育費問題で頻繁に問題となり得る事例を中心にご紹介させていただきましたが、ここで記載した事項以外の場合でも標準算定方式を機械的に当てはめるだけでは適切な養育費の金額が定まらないケースは多々あります。弁護士に依頼することで、標準算定方式の幅に捕らわれない結果となる場合もございますので、養育費に悩まれている方は一度弁護士にご相談されることをお勧めいたします。 [myphp file='link-footerban'] 「養育費」に関するQ&A よくあるご質問のうち、養育費に関するご質問をまとめました。 「養育費」が条件の解決事例 当事務所が解決した事例のうち、養育費が争点であった事例をまとめました。 子ども二人の養育費はいくら?養育費の相場について弁護士が解説 養育費はどのようにして計算されるのか ~ 「算定表」「標準算定方式」とは [myphp file='link-child']
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子どもの連れ去り緊急相談室
妻が子どもを連れて出て行ってしまった、夫の両親が子どもを実家に連れ帰ってしまった、そのようなケースは少なくありません。そのような状況で、あなたがお子様の親権・監護権を取得する為には、一刻も早く、正しいアクションを起こすことが重要です。 まだ離婚が成立していない時点での子どもの連れ去りは、多くの問題を含みます。まずは一度当事務所にご連絡ください。 子ども連れ去りの 対応の流れ 子ども連れ去りに関する 解決事例 子ども連れ去りに関する よくあるQ&A お子様の連れ去り対応は、時間との勝負です。当事務所では、弁護士のスケジュールが空いていれば、即日のご相談も可能です。 0120-77-9014 0120-77-9014 電話受付時間 | 平日 9:00〜18:00 実際に当事務所の弁護士に子どもを連れ去られた経緯、連れ去り以前の監護状況、現在のお子様の状況(わかる範囲で)を詳細にお話ししてください。 子どもを取り返せるかどうかは、同居中の子どもの監護養育を主に父母どちらが担当していたか、子どもが連れ去られた経緯がどのようなものだったかに左右される傾向にあります。 事前にこれらについて簡単に書面(データでも構いません)にまとめていただいているとより正確な見通しがお伝えできるかと思います。ご依頼後、着手金をご入金いただいてからすぐに、当事務所の弁護士が各種準備に着手いたします。 当事務所の弁護士が、お客様を代理して、子の監護者の指定及び子どもの引渡し請求の審判を申し立てます。 また、お子様の引き渡し関係の紛争は、迅速性が求められるため、併せて仮処分を申し立てることも少なくありません。 仮処分を申立てている場合、申立てから1週間から10日ほど後に、審問手続が行われます。審問手続きとは、裁判所にて、裁判官から、仮処分を申し立てた側の方(「申立人」といいます。)が、従前の監護状況や子どもの連れ去りの経緯、その他お子様に関することについて様々な質問をされます。また、相手方の代理人弁護士からも質問を受ける場合もあります。 審問手続の中で話した内容は、裁判官が判断する際に、有利にも不利にもなり得ます。そのため、どのような質問を受けるかについて、事前に弁護士と十分な打合せをする必要があります。場合によっては、当事務所で、当事務所の弁護士とリハーサルを行っていただくことになるかもしれません。 家庭裁判所の調査官が、子どもが現在どのように監護されているのかについて家庭訪問や保育園・幼稚園等への往訪を通じて調査します。また、従前の監護状況について当事者同士に話を聞いた上、同様に保育園、幼稚園での聞き取りを行う場合もあります。 その後、調査官は、調査内容について監護者としてどちらが適切かについての調査報告書を作成します。多くの裁判官の決定は、この報告書の内容に沿った形でなされる為、調査の結果が非常に重要です。 ただし、調査官調査は、裁判所の判断で行われる為、行われない場合があります。 家庭裁判所の調査官とは、裁判所に命じられて、付帯処分等(財産分与、親権者の指定、子の監護に関する処分)に関する事項について調査をする、裁判所の職員です。 無事に「子どもを引き渡せ」という旨の決定が出た場合、最初に相手方に任意の引渡しを求めます。 しかし、相手が必ずしも引き渡しに応じてくれるわけではありません。そもそも、お互いに不信感が募った末に別居をしているケースが多いため、任意での引渡しが容易ではないというのが現状です。 任意の引渡しが困難な場合、強制執行という手段を利用することになります。執行官とともに、子どもが監護されている場所に赴き、子どもを引き取りにいきます。 執行官とは、執行官は、各地方裁判所に所属し、裁判の執行などの事務を行う裁判所の職員です。 当事務所にご依頼いただいた、子ども連れ去りに関する解決事例をご紹介いたします。 1. 子どもの引き渡しを求めた事例 画像はイメージです 依頼者 女性 / 30代 相手方 男性 / 40代 子ども 2人 解決方法 調停、審判 夫が自宅を出て実家に戻る形で別居が開始されました。その際、子どもも一緒に連れ去っていってしまいました。当事者間でメールによる話し合いをしたものの、母は子どもに会うことすらできませんでした。「少しでも早く子どもを取り返したい。」そのような思いで当事務所にご相談にいらっしゃいました。 当事務所の弁護士が、ご依頼をいただいてすぐに、子の引渡し請求と監護者指定の審判の申立て、併せて同仮処分の申し立てを行いました。申立て後、審問手続きを経て、調査官調査が行われ、いずれの子どもについても母が監護権者としてふさわしいという調査報告書が提出されました。その結果、夫に対し、「子どもを妻に引き渡せ」という旨の審判決定が出され、子どもを取り戻すことに成功しました。 審判決定では、別居をする前は依頼者である母が子どもの主に監護しており、特段の問題がなかった認められたこと、子ども自身も母に会いたいという思いを示していたことの2点が子どもの引渡しが認められるための重要な要素となりました。また、夫による連れ去りの態様も、子どもに十分配慮されていないと判断されました。 2. 子どもの引き渡しを求めた事例 画像はイメージです 依頼者 女性 / 40代 相手方 男性 / 50代 子ども 2人 解決方法 調停、審判 夫が妻だけを自宅から追い出しました。その後、夫の両親が子どもを夫の実家に連れて行ってしまいました。当事者間でメールでのやり取りをしたものの、妻は子どもに一度も会えていませんでした。「できる限り早く子どもを取り返したい。」そのような思いで当事務所にご相談に来られました。 当事務所の弁護士がご依頼をいただいてから速やかに子の引渡し請求、子の監護者指定の審判の申立て、併せて仮処分の申し立てを行いました。申立て後すぐに審問手続が行われ、そのまま調査官調査も行われることとなりました。その結果、いずれの子どもについても依頼者である妻が監護者にふさわしいという報告書が提出されました。 その結果、夫に対して、「妻に子を引き渡せ」という旨の審判決定が出され、無事子どもを取り返すことに成功しました。 審判決定では、夫が妻を自宅から無理やり追い出し、子どもの監護状況を変える際の配慮のないまま夫の両親の自宅に連れて行ってしまったという経緯が、強制的な奪取と認められました。また、子どもが1歳と3歳で極めて幼いことや、その間の母との面会交流が全く実施されておらず、母子関係が完全に断絶されていること、子どもが保育園に通えなくなるなど大きな環境の変化を子どもに強いていることが認められました。 本件では夫も従前から子どもの監護にある程度関与しており、また、現在の夫による監護に特段の問題がないと判断されたものの、それでも妻に子どもを引き渡すべきと判断されました。 3. 子どもの引き渡しを求められた事例 画像はイメージです 依頼者 男性 / 40代 相手方 女性 / 50代 子ども 2人 解決方法 調停、審判 妻が自宅を出て行き、別居が始まりました。その際に、二男のみを連れて行き、長男と長女を夫の自宅に放置していってしまいました。それにもかかわらず、妻が長男及び長女の引渡し請求等の法的手続の申立てを行いました。「妻が勝手に長男と長女を置いて家を出て行ってしまったのに、長男と長女を引き渡すこはできない。」との思いで当事務所にご相談に来られました。 妻側から提出された申立書に対して、当事務所の弁護士が30頁以上の反論書面を提出しました。その後、調査官調査が行われ、夫による監護に特に問題は無いとの意見が提出されました。また、本件では長男が妻に対しあまり良い感情を持っていなかったため、長男の年齢に鑑みると長男の意見を尊重したほうが良い旨の見解も示されていました。 最終的に妻側が子の引き渡し請求等を取り下げ、夫が長男及び長女の監護を継続できることとなりました。 本件では、夫が連れ去り等の強制手段をとることなく、長男と長女の監護を開始したという事情が大きかったと考えられます。また、長男の年齢が思春期に差し掛かる頃だったこともあり、母親との不和があったことも要因の一つです。 他方で長女に関しては、引渡しを認める旨の決定がなされる可能性がありました。もっとも、裁判官は、長女と長男との関係が良好であり、両者を分離させるべきではないという考えから、長男、長女共に父を監護権者とすべき旨の心証を抱かれたのだと思います。 Q1 子どもを連れ去られたときはどのような手段を取ればよいのでしょうか? A1 3つの方法があります。 家庭裁判所に「子の引渡し」を求める調停・審判を申し立てる 「審判前の保全処分」を申し立てる 「人身保護請求」の制度を利用する 1.について 家庭裁判所に「子の引渡し」の調停を申し立てた場合、調停委員を介して、当事者同士で、子どもの意向も尊重した取り決めができるよう話し合います。調停で決着がつかない場合には、自動的に審判に移行します。 2.について 1.に挙げた「子の引渡し」の調停、審判には時間がかかるため、できるだけ早く子供を取り戻したいという場合には、調停、審判の申立てとともに、「審判前の保全処分」を申し立てます。「審判前の保全処分」が認められると、審判を待たずに、「申立人に子供を仮に引き渡せ」という旨の命令が下されます。 3.について 連れ去った親が子どもに暴力を振るうなど緊急を要する場合には、地方裁判所で「人身保護請求」の手続きをとります。原則として弁護士が行うこととなっています。 Q2 子どもの引渡しの審判では、どのような事情が考慮要素となるのでしょうか? A2 簡単に言うと、子どもがどちらの親と生活を共にしたほうが健やかに暮らせるか、という点で、引渡しの有無が決まります。 そのため、従前どちらの親が子どもを主として監護養育していたか、現在の監護状況が子どもの福祉に資するものなのか、子どもを強硬な手段で連れ去る等の行為により子どもを害していないか等の視点が重要になってきます。もちろん、子どもがある程度の年齢になっている場合には、子どもの意思が尊重されることが多いです。 Q3 子どもの引渡しを命ずる仮処分や審判の決定に相手が従いません。どうすれば良いのでしょうか? A3 強制執行の手続きを踏むことをお勧めします。 強制執行には、子どもを引き渡すまで金銭の支払いを命じ、相手に間接的にプレッシャーを与えていく「間接強制」という手段と、執行官とともに実際子どもを相手の元まで引き取りにいく「直接強制」という手段があります。 もっとも「直接強制」といっても、無理やりお子様たちを連れ去るわけではありません。子どもの年齢等に従って柔軟に対応されることが多く、必ずしも万全な手段ではないことに留意する必要があります。 また、強制執行の手続きを取ることは、お子様たちにとってストレスになる可能性がありますので、その方法も含めて慎重に検討する必要があります。 Q4 人身保護法に基づく子の引渡し請求とは、どのような時に認められるのでしょうか? A4 人身保護請求手続きとは正当な手続きによらないで身体の自由を拘束されているときに被拘禁者または他の誰からも裁判所に自由の回復を求めることができる手続きです。 人身保護請求により子の引渡しが認められる要件は、①子の身体が明らかな違法により拘束されていること、②他に手段がないこと、の2点です。そのため、監護権を有しない側の親による子どもの拘束が行われている場合や、拘束者が子どもに暴力を振るう可能性がある場合等に認められる可能性が高いです。 もっとも、強制執行を行うことができませんので、注意が必要です。要件も厳しいため、基本的には、子の引渡しの調停・審判を利用することが多いです。 [myphp file='link-footerban'] 「親権」に関するQ&A よくあるご質問のうち、親権に関するご質問をまとめました。 [myphp file='link-child']