面会交流

お子様について決めておかなくてはならないこと

離婚の際、未成年のお子様がいる場合には、お子様について決めておかなくてはならないことがあります。

離婚前に決めておく必要があるのは、主に

  1. 父母のどちらが親権者となるのか
  2. お子様を引き取らない側が負担する養育費の支払い額と支払方法
  3. 離婚後のお子様の戸籍と名乗る姓
  4. 引き取らない側の親とお子様との面会をどのように行うか

以上の4点です。

今回は4.について解説します。

面会交流とは

お子様と離れて暮らす親には、離婚後、お子様と会ったり、連絡を取ったりする権利があります。これが、面会交流権です。面会交流については、民法766条に定めがあります。

面会交流について、決めておくことと決めるタイミング

面会交流について定めることなく離婚をすることは可能ですが、離婚前に決めておくことをお勧めします。離婚が成立した後では、自己に有利な面会交流を行うための交渉材料が少なくなってしまいますし、離婚に関することは一度に決めておいたほうが、後の紛争を防止することにもなるからです。

面会交流については、例えば以下のような事項について取り決めておくことが考えられます。
・面会の頻度(1ヶ月に何回会うのか等)
・面会の時間(何時間会うのか等)
・面会の場所
・連絡方法
・宿泊の有無
・お子様の受け渡し方法
・学校行事・特別な日の面会交流
・長期休暇の場合
・間接的な交流の方法
・小遣いやプレゼントの可否

以上のような事項を話し合いにより取り決めておき、話し合いがまとまった場合にはそれを書面化しておくことも重要です。口頭での合意では、時間の経過ととも合意内容が不明確となったり、相手方がのちに同意はしていないなど話をしてくるリスクもあります。なお、後述のとおり、どこまで具体的に合意書に記載するかはよく検討する必要があります。

面会交流の回数や方法の目安

面会交流の回数や方法については、もちろん、当事者間で合意が取れ、実施が可能であればその内容とすることになります。もっとも、面会交流の回数や頻度については月1回程度が目安と考えられます。
また、方法についても、単に面会するだけの場合もあれば、旅行に行く、学校行事に参加をするといった様々なものが考えられます。そのほか、間接的に接触する方法として電話、手紙、メール又はテレビ電話といったものも考えられます。そのため、合意書に全てを網羅する形で柔軟に面会交流をするために、「子の福祉を考慮し、当事者間で事前に協議して定める」と合意をしておいて、合意書の条項を抽象的なものにすることも一般的です。もちろん、事前の協議が難しいことも想定され、仮に調停で合意をする場合で面会交流に関する強制執行を想定されるような事案の場合には、「面会交流の場所は、申立人の住所地とする。」と明確に場所を定めることもあります。
仮に、当事者間の合意ができず、調停もまとまらない場合には、裁判所が子の福祉に適うようこの年齢、性別、性格、意思、生活環境等、子に与える影響、同居親の監護養育に与える影響などを考慮して裁判所が判断をすることになります。

面会交流について、話し合いがまとまらない場合

話がまとまらないときは、家庭裁判所に面会交流の調停を申し立てることができます。調停でも話し合いがまとまらなかった場合は、審判に移行します。

審判というのは、調停の結果を踏まえて、裁判官が面会交流について決めることをいいます。しかし、審判に対しては当事者どちらかが異議を申し出ることによって裁判官の判断を拒否することができますので、審判で面会交流が決まるということはあまりありません。

そのため、面会交流の調停が不成立に終わった場合には、訴訟に進むことが多いです。訴訟では、面会交流について判決で決定してもらうことができます。判決が確定した場合には、面会交流をさせる側は、相手方に面会交流をすることを義務付けられます。お子様を引き取った側は、理由もなく、別れた相手とお子様との面会を拒否することはできません

面会交流を拒否、または制限できる場合

ただし、相手に会うことがお子様の福祉にとって害がある場合は、面接の拒否や制限をすることができます。

理由を説明して面接の拒否を申し入れても相手が納得しないときは、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に面会拒否の調停を申し立てます。また、以前取り決めた面会交流の内容を変更したい場合にも、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。

調停では、調査官がお子様の生活状況や精神状態、意思などを調査して、お子様にとって適正な取り決めができるように話し合いをします。調停でも話し合いがまとまらなければ、審判、訴訟に移行します。これらの流れは、面会交流の調停と同様です。

第三者機関への仲介を求めることはできるか

面会交流の実施については、民間機関でも支援を行っています。そして、その支援方法としては、付き添い、受け渡し又は連絡調整といった種類があります。支援機関としては、公益社団法人家庭問題情報センター(通称「F P I C」))というところがあります。同支援機関を利用するためには、事前相談を受けることやF P I Cが求める内容を面会交流に関する条項を合意書に定めることが必要となっています。そのため、面会交流の実施に不安を感じる場合や第三者機関の利用を考えている場合には、面会交流の合意をする前に事前に相談をすることが必要です。

また、厚生労働省も面会交流支援事業を行っており、条件を満たせば面会当日の子供の引き取り、相手方への引き渡し、交流の場に付き添うといった援助を受けることができます。そのほかにも、各自治体や小規模ながらN P O法人などが面会交流支援事業を行っている例もあるようです。

まとめ

面会交流は、親権と絡んで、問題になる場合が多いです。例えば、離婚する際に、夫が週に1度面会交流をさせてくれるのであれば親権は母親に譲る、などです。親権が取れない場合でも、面会交流によって、お子様との信頼関係を築いていくことは十分可能です。

ご自身に有利な面会交流を実現するためには、弁護士を入れることが有用です。冷静な話し合いができるだけでなく、交渉のプロとして、相手の弱い部分、こちらの弱い部分を把握したうえで一番良い解決方法を示していきます

ぜひ一度弁護士にご相談ください。

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