調停離婚とは
目次
調停離婚とは?
協議離婚ができない場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。
協議離婚ができない場合とは、
- 離婚についての夫婦間の話し合いでも合意に達しない場合
- 相手が話し合いそのものに応じない場合
- 離婚については合意したものの、子どもや財産について話し合いがつかない場合
等を言います。
こういった場合には、正確には、家庭裁判所に「夫婦関係調整調停(離婚)」の申し立てをします。申し立ての手続きは原則として、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に行いますので、相手方が遠方にいる場合には、こちらが出向かなければいけない可能性が高くなります。もっとも、夫婦が合意の上で決めた家庭裁判所にも申し立てを行うことができるので、夫婦間で話し合うのがよいでしょう。
ちなみに、調停をせずにすぐに離婚裁判を起こす、ということは、原則としてできないので、ご注意ください。
調停離婚の具体的な流れ
調停委員とは
調停では、裁判官と2名の調停委員で構成される調停委員会が第三者として夫婦の事情を尋ねたり、意見を聞いたりして、話し合いによる解決を目指します。非公開で行いますので、プライバシーが守られます。
調停委員というと聞きなれないかもしれませんが、40歳以上70歳未満の、社会的経験や知識のある人や家事紛争の解決に専門的な知識を持つ人、弁護士等の中から選ばれ、最高裁判所によって任命された人をいいます。
公務員の方や各種士業の専門家の方が多い印象がありますが、一般的な民間企業の方も多く、幅広い職業の方が調停委員として任命されています。
調停でのやり取り
調停は、原則として開始時に当事者双方が同時に調停室に入り、調停の手続き、進行予定などについての説明を受けます。しかし、配偶者のDVが原因で離婚する等、夫婦双方を同席させることが不適当な場合は、別々に説明を受けることもできます。
説明の後は、夫婦が交互に調停室に入って調停委員が話を聞き、相手の言い分を伝えた後(相手方に伝えてほしくないことは、調停委員に言えば調停委員限りで聞いてくださいます)、それに対する反論などを聴きます。調停では相手が調停室に入っている間は待合室で待つことになりますが、夫婦双方が別々の待合室に通されるので、顔を合わせる心配はありません。
調停を重ねて夫婦の合意ができると、調停調書が作成されて調停離婚が成立します。通常、調停による離婚は半年から1年ほどかかるといわれています。
調停離婚が成立した後、10日以内に市区町村役所の戸籍係に調停調書の謄本とともに離婚届を提出します。この場合、相手方の署名・捺印は不要なので、調停以降相手方に会わなくて済むことになります。
なお、調停はいつでも取り下げることができます。
まとめ
調停委員に自分の話を聞いてもらい、整理することは、とても有益です。
さらに、あらかじめ弁護士に相談し、弁護士とあなたとの間で話をまとめておくことで、調停という限られた時間の中で、自分の主張を端的に調停委員に伝えることができます。
また、相手方を納得させることができるような法的主張を考えることもできます。
調停離婚をしてみようとお考えの方、調停離婚を本人同士で行ってみたものの、不調に終わってしまった方は、ぜひ一度弁護士に相談されることをお勧めします。