モラハラ夫に無断で別居しても良い?~同居義務違反について~
1.夫婦の同居義務とは
一般的に夫婦の同居は、夫婦共同生活における本質的義務とも言われ、何ら正当な理由も無く同居を拒むことは同居義務違反と評価される場合もあります。もっとも、「正当な理由」については広く認められる傾向にあり、実務において「正当な理由」の有無が争いになるケースは多くありません。
したがって、モラハラ夫から「別居は絶対に許さない。」、「勝手に出て行ったら同居義務違反で訴えてやる。」などと言われたとしても、当然に従わなければいけないというものではありません。
2.同居義務違反の主張と悪意の遺棄
モラハラ夫の承諾を得ずに別居を開始すると、「勝手に出て行ったのだから同居義務違反だ」、「同居義務違反があるということは悪意の遺棄だ」などと主張されることがあります。
しかし、前項記載のとおり、そもそも「同居義務違反」があると認められるケースはそれ程多くはありません。また、仮に「同居義務違反」があったとしても、直ちに「悪意の遺棄」が認められるわけではありません。最近の実務では単なる別居開始のみをもって悪意の遺棄と判断されることケースは非常に少ない印象があります。
以上のとおり、前述のモラハラ夫の主張が認められることは殆どありませんので、過度に委縮する必要はありません。
3.モラハラ夫からの別居
モラハラ夫はあなたの近くにいる限りモラハラを止めることはありません。もちろん、その時の気分や状況によってモラハラが落ち着くタイミング、やけに優しいタイミングが訪れることはありますが、根本的にモラハラ夫が変わることはありません。
同居が継続される限り、いつまたモラハラが始まるのではないかという不安と恐怖が延々と続くことになりかねません。同居中は「モラハラ夫の言葉が世界の全てだった」という方も、別居の開始によって急激に人生が開けたという方は少なくありません。
別居こそがモラハラ夫から解放される、あなたがあなたらしい人生を送る第一歩となります。モラハラ夫は色々な発言や手段であなたに別居を思い留まらせようとしますが、負けずに第一歩を踏み出してください。
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