弁護士コラム
成人年齢引き下げに伴う養育費の支払い期限
2019.03.31
2022年に、成人年齢が20歳から18歳になることをご存知でしょうか。「養育費を成年に至るまで支払う」と取り決めをしていることもあり、成人年齢の引き下げが養育費の支払いにどのように影響するのか、問題となっています。
養育費の請求と時効
こういった問題提起を受け、法務省が、「成年年齢の引下げに伴う養育費の取決めへの影響について」という文書を発表しました。
結論から言うと、「養育費を成年に至るまで支払う」との取り決めがされている場合、20歳まで養育費が支払われる可能性が高いです。
支払い期限が決められた時期に、成人年齢が20歳なのであれば、それを前提とするのが合理的であると考えられるからでしょう。
裁判所が養育費の支払い期限を決める際、原則として成人(現行法だと、20歳に達した日が属する月)までとしています。協議や調停などでは当事者の意思で支払い期限を決めるため、様々なケースがあります(たとえば、「22歳に達した後の3月末日まで」など)が、基本的には成人までと決めることが多い傾向にあります。
いずれにせよ、今後は、養育費の支払い期限を「20歳に達した日が属する月まで」や、「18歳に達した後の最初の3月末日まで」といったように、明確に定めておくことが良いでしょう。